気管支炎
 

ネコは呼吸器の感染症になりやすく鼻炎、咽頭炎と同時に気管支炎になる事が少なくありません。
気管支炎をもっとも多くみられる原因は、ウイルス感染です。
とくに冬場に流行することが多いネコ伝染性鼻気管炎やネコカリシウイルス感染症が
もっとも多い原因となります。それ以外にも細菌、真菌などの感染、ほかにも、
刺激性の煙やガス、化学薬品などを吸い込んだり、とがった異物を飲み込んだために
生じたのどの外傷なども気管支炎の原因となります。
気管支炎での、せきや呼吸困難などの症状は、咽頭炎や鼻炎だけのときより
重くなることがあります。

軽い気管支炎になると、空咳をしたり元気をなくします。
しかし、気管支炎は軽いせきの症状だけのときでもかなり広範囲に呼吸器の病気が
広がっている可能性があります。
空咳はネコが吐く時の動作に似ているため、吐き気の症状と間違えることもあります。
また、咳の刺激で吐き気が出る事もあるので症状を見あやまらないよう注意が必要です。

症状が重くなるとネコは胸に痛みが出たり、のどや胸に触られる事をいやがるようになり、
ちょっと動かしたり抱き上げたりするだけで咳がひどくなることもあります。

また、口を少し空けたまま荒い呼吸をしたり、うずくまって動かず、まったく元気を
無くしてしまうこともあります。高熱を出し食欲が落ちる事もあります。

治療は、検査ではエックス線、血液検査が必要となることもあります。
抗生物質の投与や補液などの内科療法を中心に行います。
またネコの状態によっては、ネブライザー(蒸気吸引機)を使った
吸引療法を行うこともあります。

なるべく静かで暖かい場所で安静にさせ、のどに刺激を与えないようにしてください。
呼吸器感染を予防するためにも、ワクチン接種を定期的に行う事が大切です。


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