横隔膜ヘルニア
 

この病気はほとんど、ネコが交通事故などによって強い衝撃を受けることによっておこります。
屋外にでるネコは、この危険が高くなるのでしたがって、この病気にかかる可能性も高くなります。

そのようなケガをしたネコは衝撃によって腹部と胸部をへだてている横隔膜が破れることがあり、
腹部の内臓がその穴から押し出され、ヘルニアになります。
ヘルニアとは、もともと穴のないところが裂けたりして、そこから臓器がはみ出す事を意味します。

ごく軽いヘルニアならはっきりした症状が出ない事もあり、そのようなネコでは
一生ヘルニアが見過ごされてしまうこともあります。

しかし、この病気のほとんどが激しい事故などによって起こるので、
実際にはほとんどが重い症状となります。

症状が重い場合、事故の直後から非常に重い呼吸困難が現れます。
ネコは前足をつっぱってあえいだり、荒い呼吸を繰り返し、立っていられない事もあります。

また腹部の臓器が胸腔側に移動してしまうため、ネコの腹部は細くなり、
外からさわるとお腹に何も入っていない用に感じられる事もあります。
このような症状では、一刻も早い治療が必要です。

また、ヘルニアの程度では、吐き気、食欲不振、あるいは元気が全く無くなることもあります。

治療は、症状によっては特に大きな症状もなく、
そのまま放置してもあまり問題がないこともあります。
しかし、ほとんどの場合は緊急の外科手術が必要になります。
ただし胸腔の手術はどのような手術にしろ、危険を伴います。
死亡する可能性があることも飼い主は考えておかなければなりません。

close