腎臓の上にある小さな臓器、副腎の働きが異常に活発になり、
副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気です。

水を大量に飲み、頻繁に尿をだし、食べ物を異常に多く食べるようになります。
腹が膨れ、垂れ下がる事もあります。
また、体の両側が同じように脱毛します。
皮膚は薄くなり、弾力をうしない、そのため大変傷つきやすくなります。
脱毛した部分には普通かゆみはありませんが、色素が集まって黒ずむことがあります。
また、この病気になると抜け毛が増えます。

ネコがこの病気になるほとんどの原因は、副腎皮質ホルモン薬を長期にわたって
与えているか、一度に過剰に与えたためです。
この薬は炎症やかゆみに対して高い治療効果を持つため、さまざまな病気に対して
使われています。
ネコが動物病院で薬の長期の処方を受けた後に脱毛などの症状が出たときには、
クッシング症候群を疑ってみることも大切です。
ネコの体に別の異常が生じ、副腎が働きすぎて、
副腎皮質ホルモンの分泌が増えることもあります。

これは、脳の下垂体が過剰に働いて副腎を刺激するホルモンの量が増える、
副腎に腫瘍ができてその働きが活発になるなどが原因です。

治療は、薬の過剰投与が原因の時には、副腎皮質ホルモン薬の量を減らすか、
薬を与える間隔を長くします。
ネコが別の病気の為にこの薬を飲んでいる時には、薬を突然辞める
とネコの病気が悪化することもあります。
獣医師の指示に従って薬を与えるようにしましょう。
副腎の腫瘍などが原因の時には、副腎を摘出することもありますが、
このような場合はしばしば治療が困難です。