ストレスによる脱毛症
 

ネコは本来は仲間との関わり合いを好まない動物ですが、人間社会で飼われているネコは、
本来の習性にふさわしい暮らしはできません。
そのため、なかには強いストレスを感じて神経症となり、ひどく痩せたり、
脱毛するネコもいます。
強いストレスを感じているネコは体をしきりに舐めるようになります。
とくに前足や腰、背中などの一カ所を繰り返し舐める事が多く、その部分の
毛がしだいに抜けていきます。
普通は脱毛した部分に皮膚病の症状はみられません。
しかし、脱毛後もさらに舐め続け皮膚がただれる事もあります。
他にも、人間の円形脱毛症と同じようにストレスのために頭や肩などの毛が
部分的に抜ける事があります。

人間の出入りの多い家や、車の往来の激しい場所で飼育されている、
屋内のせまい場所だけで飼われている、飼い主が変わった、
飼い主の家族構成が変わった、引っ越しで住むところが変わった、
新しい動物が加わった、またそのために飼い主の愛情が他へむいた、
飼い主から過度の愛情を受けている、などがストレスの原因となります。

治療はストレスの原因が分かれば、それを取り除く方法を考えます。
原因を取り除く事が困難な場合には、しばらくの間精神安定剤を与える事もあります。

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