食事性アレルギー
 

たいていの人にとっては何でもなくても、特定のものを食べるとじんましんが出たり、吐いたり
する人がいます。このように、普通は害のない食べ物に対して
異常な反応を示す事を食事性アレルギーといいます。
ネコもまれに、特定の食べ物に対してアレルギー症状を示します。

食事をとってから1〜数時間以内に皮膚が赤くなる、脱毛する、小さなブツブツが出る。
皮膚の表面がぽろぽろはがれるなどの皮膚炎の症状が出ます。
こうした症状は主に耳やひたい、目のまわり、首などにでますが、全身に症状が現れる
こともあります。

ネコはしきりにかゆがって、体をなめたり、手足でこすったり引っ掻いたりします。
そのためネコの体のあちこちにかき傷ができ、傷がもとになってただれや
潰瘍が生じます。アレルギーが長引くと皮膚が厚くなることもあります。

食事性アレルギーはまれに生後3ヶ月くらいで発症しますが、
ふつうは生後半年以上で発症します。
これに対して他の原因となるアレルギーはほとんど1才以上で発症します。
アトピーや接触性のアレルギーを併発している場合には、症状がいっそう悪化しやすいようです。
食事性アレルギーは季節と関係なく現れ、
副腎皮質ホルモン薬などの抗炎症薬を与えてもよくなりません。

たいていはアレルギーを引き起こす成分の入った食事を繰り返し与えた事が原因となります。
日本ではネコ用の魚の缶詰をひんぱんに食べさせたためにアレルギーになる例が多いようです。

治療は、アレルギーの原因となる食物の成分を突き止める事は困難なので、
それまで食事を別の物に変えたり、低アレルギー食を与えるようにします。
早ければ1週間後から皮膚の状態は良くなります。
ときには1ヶ月後ころから症状が軽くなることもあります。
低アレルギー食を与えている時は、他の食事は与えないようにします。
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を与えても、一般的にあまりよい治療効果はみられません。
しかし、ネコの数週間にわたってこれらの薬を投与しながら、良質なタンパク質や脂肪酸
を与えると、症状が良くなる事があります。

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