対称性の脱毛症
 

体の毛が異常に多く抜け、地肌が見えてきます。
体の左右が同じように脱毛します。
後ろ足の間辺りから毛が抜け始め、被毛が薄くなった部分が次第に腹の方へと
広がっていき、症状がすすむと腰や背中、わき腹、尾の下や後ろ足の内股なども脱毛します。

短い間で脱毛が進む事もあります。対称性の脱毛では、ふつうはかゆみや痛みは無いようです。
しかし、治療せずに放置するとその部分が硬くなるなどしてかゆみが生じることがあります。

この病気は、去勢・不妊手術を受けたネコや、長期にわたってホルモン剤を用いている
ネコに多く見られます。
なので、原因は良く分かっていませんが、ホルモンバランスと関連しているという見方もあります。
しかし、去勢・避妊手術をしていないネコでもこの病気になることがあります。

治療は、性ホルモン(エストロゲン、アンドロゲンまたはプロゲステロン)を与える方法があります。
しかし、この治療を行うと、メスは発情の兆候が現れたり、オスは攻撃的になったりします。
また、エストロゲンとアンドロゲンの合剤を過剰に与えると肝臓に異常が現れることが
あるので注意しなければなりません。
プロゲステロンも強い副作用を示すこともあるので、最近ではあまり使われません。

脱毛している場合は、治療を始めてから1ヶ月以上たたないと毛が生えそろってきません。
その後、半数が再発します。
飼い主は焦らずに治療を続ける事が大切です。

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