結膜炎
 

まぶたの裏側にある結膜が炎症をおこす目の病気で、ネコはしばしばこの病気になります。
結膜炎には急性と慢性があります。また、目やに(分泌物)の状態から
カタル性および化膿性に分けられます。

●急性カタル性結膜炎
涙が多く出て、はじめは水のようだったものが、しだいに粘液や漿液(ジュース状)
の分泌物になります。
結膜は充血し、赤く腫れてきます。ときにはむくみが生じ、痛みやかゆみをともなう
こともあります。
多くは、瞬膜が眼球の上(角膜)に広がってきます。

●慢性カタル性結膜炎
急性にくらべると症状は軽く、結膜は多少厚くなり、発赤およびねばっこい分泌物
がみられます。
この分泌物が出ている時にはよく角膜が乾いた状態になります。

●急性化膿性結膜炎
カタル性結膜炎になると、まもなくこの化膿性結膜炎をおこします。
これは二次的な細菌感染のためにカタル性結膜炎より症状は重くなり、
分泌物は黄緑色のうみのようになります。
結膜は非常に赤くなり、一見してビロードのようにひだ状になります。
ネコは痛みやかゆみのために目をこするので、結膜と接している角膜までが
炎症をおこし、角膜炎になることもあります。
化膿性の結膜炎はおとなのネコには少なく、子ネコや若いネコに多い症状です。

●慢性化膿性結膜炎
うみのような分泌物が出て、上下のまぶたがくっつくようになります。
結膜は充血して腫れあがります。
表面が変質して凹凸状になります。
子ネコや若いネコではこれによって結膜潰瘍をおこすことがあります。
また角膜の表面がひどく変化し、そこに新しい血管が生じることがあります。


目に砂埃が入ったり異物が入ったり、ひっかき傷ができる、細菌やウイルスや真菌に
感染する、アレルギーなどの病気にかかるなどです。
また噴霧剤、煙、石けん、人間用点眼薬なども原因となります。

とくに科学的な刺激は急性カタル性結膜炎の原因になり、角膜も変化します。
なかでもウイルス性気管炎などの呼吸器の病気になると、
カタル性結膜炎を併発します。このときはさらに、化膿性の細菌に
二次感染することになります。

治療は、ネコを洗眼した後、おもに抗生物質の点眼薬を投与して治療します。
点眼薬も結膜炎の原因によってさまざまな種類を使い分ける必要があるので、
獣医師の指示に従いましょう。
人間用の目薬を代用したいしてはいけません。


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