脈絡網膜炎
 

脈絡網膜炎とは、網膜と脈絡膜が炎症をおこす病気です。
網膜と脈絡膜はとなりあっており、しばしば脈絡膜が炎症を起こすと、
続いて網膜に炎症が広がります。
炎症が視神経にまで波及すると、ネコは視力の低下をおこします。

病気が片目だけにおこるときも、両目に広がるときもあります。
眼底に、出血、滲出(組織液が染み出す)、浮腫(腫れる)、
などが見られ、眼底が不鮮明となります。
ときには滲出性の網膜剥離がおこったり、前部ブドウ膜炎を
ともなうこともあります。

独立して発症する事もありますが、ネコでは次のような全身性の病気の
合併症として発症します。

●細菌性(結核・敗血症)
●ウイルス性(伝染性腹膜炎、白血病、免疫不全ウイルス感染症<ネコエイズ>)
●真菌性(ブラストミセス症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラズマ症)
●原虫性(トキソプラズマ症)
●免疫介在性(自己免疫性脈絡網膜炎)
●腫瘍性(リンパ腫、多発性骨髄腫)
ほかにも怪我、目の障害、角膜潰瘍、などがこの病気の誘因となります。

治療では、ほとんどの目薬は網膜と脈絡膜には到達しません。
したがって、この病気を効果的に治療するためには全身性の薬を投与します。

まず第一に、原因となっている全身性の病気の治療を行います。
感染症の病気なら、その原因を取り除いた後、炎症をおさえるために
全身性のコルチコステロイド(副腎皮質ホルモン薬)をつかいます。



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