進行性網膜萎縮(びまん性網膜変性症)
 

目の奥の(眼底)にある光を感じる光受容層に異常が生じる眼病で、
網膜が変性してうすくなった状態です。

ネコがこの病気になるおもな原因は栄養に関係しています。
とくにタウリン(ネコの必須アミノ酸)の欠乏した食べ物を食べているネコでおこります。

視力は萎縮した網膜、関連している眼底の状態によって影響を受け、症状が
重くなると失明することもあります。
初期には視力障害は起こりません。しかし、症状が進行するにつれて夜間の視力障害
が現れ、動いている物体を追う事に支障をきたすことになります。
ネコの進行状態が中期になると、ネコは昼間の視力も低下してきます。
瞳孔は散大し、光に対する反応も不完全でにぶくなります。
そして末期には、瞳孔は大きく開きっぱなしになり、光をあてても
全く反応しなくなり、視力が失われてきます。

網膜萎縮には、先天性と後天性があります。
ただし、先天性ではペルシャとアビシニアンでわずかに認められるだけです。
後天性では栄養性欠乏やタウリン欠乏が挙げられます。

現在のところ、網膜萎縮に有効な治療法はありません。
不完全な食事によって生じるタウリン欠乏症では、初期のうちなら
病気の進行をとめるためにタウリンに富んだ食べ物を与え、進行を止める事はできます。

しかし、すでの生じた網膜の障害は治りません。

ネコにはつねに、高タンパク質の動物性食品で作られている
食べ物を与えましょう。
イヌ用のドックフードなどは与えてはいけません。
タウリン欠乏のネコはドックフードを与えていることでも起こり、
栄養不足が続くことになります。



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