耳血腫
 

耳に分布する血管が破れて内出血をおこし、皮膚と耳介軟骨の間に血液や漿液がたまった状態です。
耳が異常にふくらんでいます。

内出血した部分が厚ぼったく腫れてぶよぶよします。
さほど痛みはありませんが、皮膚の炎症がいつまでも消えず、ネコはしきりにその部分を
気にしたり、後ろ足で引っ掻いたりします。

原因は主に外耳炎、とくに耳ダニ症におかされたネコは、かゆみのために夢中で頭を振ったり、
耳を何かに強くこすりつけたりし、このとき血管が切れると血腫が生じます。
またネコ同士のケンカによって耳の内側の血管が切れて血腫ができることもあります。

治療では、まず耳ダニなどの寄生虫を除去します。
次に、耳介のもっともふくらんでいる部分に針を刺し、たまっている血液や漿液を排出します。
再三たまるときには大きく切開し、かたまった血を除去します。

治療の際にはエリザベスカラーをつけ、回復するまでネコが耳を引っ掻かないように注意します。
耳血腫は、手当てが遅れたり症状がこじれると耳介軟骨が変性して、耳全体が萎縮し、
耳がひきつれたようになって二度と戻らなくなってしまいます。




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