ビタミンA過剰症
 

この病気は日本では欧米ほど頻繁にはみられません。
それは、人間同様、ネコの食生活も違うためと考えられます。
ネコの食事にキャットフードを利用しない時、日本ではネコに肉よりも
魚や魚の缶詰を与える事が多いようです。
これに対し、欧米では一般に鶏肉、牛肉、それらの内臓、とくにレバーを
食べさせる傾向があります。
レバーにはビタミンAが豊富に含まれており、少量なら体に有益ですが
ひんぱんに食べるとビタミンA過剰症を起こす原因となります。


ビタミンAが過剰になると骨が変形したり、骨同士が正常に連結しない事があるため、
体に痛みが生じます。
この症状が現れたネコは、初期には傷みで体に触られるのを嫌がり、
食欲不振を起こしたりやせてきたりします。

病気が重くなると、あきらかな脊椎の変形がみられるようになり、
ネコは動きたがらなくなります。
さらに病気が進行すると体が硬直し、自分で身繕いもできなくなります。
そうなると普通に座る事も困難になり、ついには横に寝ころんでついには
起きあがれなくなります。

治療は、まず炎症鎮痛薬などを用いて体の痛みを取り除きます。
また、ビタミンAを含むレバーや卵黄などを食べさせないようにします。
ただし脊椎や手足の骨の扇形が進んでしまうと、それをもとに戻すことは困難です。

ビタミンAは適量であれば有用です。なにごとも適度なバランスが必要です。

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