クル病
 

クル病は食べ物の中のカルシウムが不足するため、骨が成長をさまたけられて変形する病気です。
魚を与える時に大きな骨ばかりでなく、小骨まできれいに取り除くなどの気遣いが、かえって
こうした病気につながります。
この病気はネコではまれで、カルシウム不足が長く続くとむしろ、上皮小体機能亢進症という
重い骨の病気になります。

若いネコがこの病気になると骨の成長が妨げられ、発育不全になります。
骨は長さが伸びず、代わりに関節の軟骨が増殖するので、骨の末端部や関節部分がふくらみ、
手足が変形します。

そのためネコは正常な運動能力をもつことができず、歩き方がおかしくなるなどの異常が生じます。
胸骨などにもこのような変形がおこって胸の形が変形がしたり、胸をさわると骨がごつごつと
感じられることがあります。

栄養バランスの悪い食事が原因です。
普段の食事でカルシウムやビタミンDが足りなかったり、リンを過剰摂取すると、
この病気になりやすくなります。

ただしビタミンDは日光に当たる事でネコの皮膚の中で作られるとみられているためです。
極端に日照不足でなければビタミンDが足りなくなる事はありません。

しかし室内だけで生活しているネコの場合は、食事中のビタミンD不足でこの病気に
なる可能性があります。

慢性の下痢などによって腸がカルシウムを吸収できなくなると、
まれにこの病気になります。

治療ではカルシウム剤とビタミンD剤を
投与します。
しかし、ビタミンDを過剰にとると、血管内にカルシウムが付着するなどの
異常が現れます。

ふだんから食事の栄養バランスに注意し、カルシウムの少ない生肉やレバーだけを
与えないようにします。
また、栄養バランスがとれているかどうかわからないときや、
ネコの好き嫌いが多い時は、獣医師に相談します。
必要な場合にはカルシウムを食事に添加するように指示が出るかもしれません。




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