便秘
 

消化器の機能がおとろえた老齢のメスネコに便秘がしばしばみられます。
何度もトイレに通い、排便の姿勢をとりますがほとんど出ず、
ころころしたかたい便が少しずつ排泄されたりします。

消化器のはたらきがおとろえていなくても、ビニールや紙などの異物を
あやまって食べたり、毛球症をおこして便秘になることもあります。

便秘は何日も続くと食欲を無くしてしまいます。
そうなるとネコは食欲を無くしてしまいます。
または食べたものをすべて吐いてしまうことがあります。
腹痛があるとネコは腹部に触られるのを嫌がります。

ただし、オスネコが何度もトイレに通う場合には別の重大な可能性も
考えなくてはなりません。
「下部尿路症候群」になることがあるからです。
すぐに治療しなくては重大な結果となります。

老ネコや病気のネコは腸の蠕動運動が衰えるために便秘になることがあります。
その場合、腸がうまく便を押し出せないため、途中で便が簡単につまってしまいます。

事故などで骨盤の形が変わっても便が通過しにくくなります。
巨大結腸症になったネコもひどい便秘をおこします。

治療では、腸が上手く水分を吸収できなくなり脱水症状となるので、
点滴や皮下注射によって輸液を行います。
また便を柔らかくする薬を与えるなど内科療法も行います。

浣腸をして便を出すこともありますが、こうすると脱水がさらに進む
可能性があるので、やはり輸液や内科療法を併用します。

便秘をしている場合、食事の中にサラダオイルやバターを一日に
ティースプーン1杯ほど添加すると、便が出やすくなることがあります。

しかし与えすぎると今度は下痢を起こすので、便の様子を毎日よく観察
して与え方を調節してください。



close