胃捻転
 

胃が文字道りねじれる病気で、胃腸の病気の中でも非常に緊急性の高いものの1つです。

胃捻転の症状は急激に現れます。
ネコはひどい腹痛のために、たいていはお腹をかばうような姿勢をとって
うずくまりますが、落ち着かなく歩き回ることもあります。

食欲はまったくなくなり、元気も急速に失われて衰弱していきます。
胃にはガスがたまるので、腹部はかたくふくらんできます。
そのために胸部が圧迫され、また痛みも加わって、呼吸が荒くなります。
さらに吐き気をみせることもあります。

腸捻転になると脱水が急速に進むため、ネコはショックをおこして虚脱状態に
なることもあります。
症状が重く、処置が遅れると、死亡することも少なくありません。

原因は腹部の術後、腹腔内に予期しない癒着が起きた時に胃捻転が発症する
ことがあります。また、交通事故などによって横隔膜ヘルニアを起こすなど、
腹腔内に異常が生じたときにも胃捻転になることがあります。

さらに胃炎等が原因で胃拡張がおこり、それが胃捻転にまで進む事もあります。
食後、急に運動した時にもまれに胃捻転が発生します。

治療では、この病気とわかったらただちに手術を行います。
まず開腹して胃のねじれを治し、胃を正常な位置に戻します。
さらに、再発を防ぐために腹腔内に胃を固定します。
このときショック症状や脱水症状をかるくするために内科療法を併行して行います。

捻転がひどかったりネコの衰弱が激しい場合には、緊急手術を行っても
命を落とす可能性が高いといえます。



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