急性胃腸炎と胃潰瘍
 

急性胃腸炎の主な症状は、下痢と吐き気です。
病気が軽いと下痢はおこらなかったり、便が柔らかくなる程度のことも有ります。
しかし病気が重くなると便がどろっとして形がなくなる、あるいは便が水溶性
になったりします。
便に血液が混じってチョコレート色や黒色、ときには赤色になることさえあります。
また下痢のためにネコはひんぱんにトイレに通うようになります。

急性胃腸炎ではひどく吐く事があり、症状が重いと何度も繰り返して吐きます。
とくに激しい胃炎になると、水を飲んだりものを食べたりした直後に
吐く事も多くなります。

吐き気があるときは食欲もなくなり、水だけをひんぱんに飲みます。
しかし、そのたびに吐いてしますため、病状が重くなると
水を飲む事さえ出来なくなります。
ネコがこのような状態になったら一刻もはやく治療しないと
死亡するおそれもあります。

この病気になる原因では、食道炎と同じように、とくに刺激性のある薬物や異物を飲み込むと
急性胃腸炎を引き起こします。
古い食べ物や腐りかけの食べ物を食べても胃腸炎を起こす事があります。
お腹が冷えすぎてもこの病気になります。
細菌やウイルスに感染したときにも腸炎は起こります。

治療では、嘔吐や下痢によって体内から失われた水分を点滴や皮下補液で補います。
同時に、下痢や吐き気を止めるための内科療法を行います。
これには通常、点滴や注射などで薬を投与します。
吐き気がなく症状が比較的軽いときには、内服薬を与える事もあります。

ネコが衰弱したときに流動食を与えると、吐き気を誘発してかえつて
脱水症状を悪化させることがあります。
家庭で看護する場合には、あらかじめ獣医師に注意事項を聞いておきましょう。



close