食道炎
 

ネコはいろいろな理由から食道に炎症をおこし、食道炎になります。
たとえば薬品などの刺激物を食べたり、あやまってかたい異物を飲み込んで、
食道が傷つけられ、食道炎をおこすことがあります。
またのどの炎症(咽頭炎・喉頭炎)を起こし、それが重くなって炎症が
食道にまで広がる事もあります。
食道炎はほとんどの場合、適切な治療を行えば完治します。
しかし、症状が重くなると食道が変形し食道狭窄などを起こす事もあります。

ネコが食道炎をおこすと、食道や胸などに痛みが生じます。
そのためネコは食欲をなくしたり、首や胸などに触られるのを嫌がります。
たとえ食欲があっても、食べ物を上手く飲み込めなかったり、
食べ物をすぐに吐き出したりするなどの症状をみせることがあります。
また、のどに何かがつまっていて吐くような動作を繰り返したり、
よだれを垂らしたりすることもあります。

治療ではふつう抗生物質や抗炎症薬を投与します。
食欲がなかったり固形物が飲み込めない場合には、薬物の投与と同時に
強制的に栄養を与える必要があります。
これには栄養価の高い流動食をのどに流し込んだり、
皮下や静脈から輸液を行ったりします。
食道炎が進んで食道狭窄をおこし、食べ物がのどを通らない場合には、
手術で食道のせまくなった部分を切除するなどの外科的処置が必要になります。



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