腸の内容物がとどこおって動かなくなった状態をいいます。
腸内にはガスもたまって腹がふくらみます。
この病気は腸管が物理的にふさがったときにおこります。
たとえば、腸内に異物が入り込んだ、腫瘍ができた、腸重積や腸捻転をおこしたなどです。

それだけでなく、腸炎などのびょうきになっても、腸管の蠕動運動
が止まって腸の内容物が動かなくなり、腸閉塞になることがあります。

腸閉塞は内科療法だけで治ることもあります。
しかし異物や腫瘍などによる腸閉塞では、たいていは緊急手術が必要です。

お腹がガスで圧迫されるため、ネコは腹痛で苦しみます。
痛い時は、触れるのを嫌がり、お腹をかばう姿勢をとるようになります。

さらに吐き気が生じる事もあります。
何度も吐くほど吐き気がひどいこともありますが、あまり吐き気を見せない場合
もあります。
はげしく嘔吐するとひどい脱水症状が現れるので、ネコは元気を無くし食欲も無くなります。

治療が遅れるとネコはショックをおこして虚脱状態におちおいり、
ついには死ぬ事もあります。

主な原因は、ネコがプラスチック、ビニール、紙、布、金属、鳥、魚の骨など
を飲み込んだ、腸管の腫瘍、腹部の他の腫瘍、他の腹部の病気やなどで腸の神経が
傷つけられた時も腸閉塞はおこります。

治療では、ほとんどの場合、手術を行います。
開腹して、異物や腫瘍が原因となっているときにはそれを除去します。

腸捻転、腸重積などが原因の場合には、腸を正常な状態に戻します。
その際、腸が壊死しているようであれば、その部分を切除して周囲を縫合します。

閉塞している部分が特定できなかったり異物が確認できない場合は、内科療法を
優先させることがあります。
しかし、緊急の処置を必要とする場合には原因を特定できなくても、
試験的に開腹して病状をしらべ、あわせて治療もおこないます。

飼い主はネコがオモチャなどを誤って飲み込まないように注意してください。