歯根の吸収
 

歯が溶けて、あごの骨に吸収されてしまう病気です。
かつては虫歯と考えられていました。
日本では半数近くのネコがこの病気の歯を1〜数本もっているといわれます。
破歯細胞性吸収病巣または、歯頸部吸収病巣などさまざまな名称で呼ばれます。

ネコはよだれを出し、歯ぐきから出血することもあります。
口内炎ほどではないものの痛みもあり、歯にさわると嫌がり、
硬い物を食べたがらなくなります。

口をあけると、病気になった歯の根元に小さくふくらんだ赤い歯肉が見えます。
このとき歯は根本の部分がすでにかなり溶けています。
症状が進むと、歯そのものがおかされて欠けやすくなります。
歯も小さくなっていき、ついには無くなってしまうことがあります。

治療では、初期には以上が生じた部分の歯肉を手術で切除し、
破歯細胞の働きをおさえるためにフッ素を塗ります。
歯の欠けたところに充填物をつめることもありますが、再発しやすいようです。
病気が進んでいるときには抜歯をします。

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