フィラリア症(イヌ糸状虫症)

 

フィラリアはイヌの心臓に寄生する虫として知られています。
しかし、近年フィラリアはネコにも感染することがわかってきました。
ネコはフィラリアの本来の宿主ではないため、体内に大量のフィラリアが
住み着くことは少ないとみられます。
しかしネコの心臓はイヌの心臓よりずっと小さいため、フィラリアに感染すると
重傷になることが少なくありません。

フィラリアはネコの心臓と肺動脈に寄生するため、心臓の壁や血管壁が厚くなります。
そのため心臓に負担がかかり、脈拍が早くなります。

また、死んだフィラリアが血流にのって肺に運ばれ、
肺の血管がつまりネコの息は荒くなります。
空咳をくりかえしたり、呼吸困難になることもあります。
元気がなくなり、突然吐くこともあります。

フィラリアはまれにネコの脳に寄生し、ネコは神経症状を示す事があります。

ネコはこの病気になってもすぐには症状が現れにくく、
元気がない状態で空咳などが続いて、
ある日突然死んでしまうことがあります。

治療では、薬を使う方法と、手術で虫を取り出す方法がありますが、
いずれもネコの生命の危険をともないます。

薬で虫を殺すと、虫の死骸が肺動脈によってネコの肺に運ばれるため、
ネコはひどい肺炎のような症状を示します。

フィラリアの予防薬を蚊の出る季節に与えることで予防できます。(1ヶ月に1回)
蚊の多い地域では、必ず予防をするようにしましょう。

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