条虫症

 

条虫はたくさんの片節(体節)からなる寄生虫です。
条虫の片節1つ1つには卵が入っており、ちぎれた片節も動き回ります。

感染しても症状はほとんど見られません。
しかし、片節がネコの肛門からはい出してうごめくため、
ネコはかゆがって尻を地面にこすりつけるなどの動作をすることがあります。

また、多数の条虫が寄生するとネコは食欲や元気がなくなり嘔吐や下痢、
腹痛などの症状を示します。

とくに症状がなくても、飼い主がネコの肛門のまわりにくっついたり
便の中でうごめいている小さな白い片節に気づく事があります。

日本のネコには10種類以上の条虫が寄生します。
●ウリザネ条虫
成虫になると長さ60cmにも達する条虫です。
片節がネコの体外にでて乾燥すると米粒ほどの大きさになり、
ネコの寝る敷物などに落ちていることに飼い主が気づくこともあります。
●ネコ条虫
小腸に寄生する条虫です。
この条虫は小腸の壁に頭を深く食い込ませるため、腸に穴が開く事もあります。
●マンソン裂頭条虫
長さが80cmから2.5mにも達する条虫です。
郊外の自然の多い環境で生活するネコに良く見られます。

治療では、駆虫薬を与えると同時に、飼っているネコのすべてに対して
数ヶ月間、ノミの駆除を続けます。
その間、駆虫薬も1ヶ月に1回飲ませます。
嘔吐や下痢などが見られる時には、それらの症状をおさえる薬を与えます。



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