脱臼

 

骨と骨がつながっているところには関節があり、関節は靱帯といわれる筋肉で守られ、
容易にはずれないようになっています。
しかし、強い衝撃が加わると関節がずれて脱臼がおこります。

単純な脱臼では、関節を元に戻せば回復する事もあります。
しかし衝撃の加わり方では、関節の周りの靱帯や腱が損傷したり、
骨折をともなっていたりすることがあり、そうなると完治までに
長い時間がかかる事もあります。

脱臼がおこっていても、外から見ると外傷がみられず、異常がみつからない
事が多いので、注意が必要です。

脱臼がおきた場合はネコはその足に力をかけることができなくなります。
肩、ひじ、またはかんせつなど重要な関節で脱臼がおこると、
ネコは足を縮めたまままったく使わなくなってしまうことがあります。
脱臼の程度によっては、足が不安定にフラフラすることもあり、
こうなると痛みがひどく、患部に触られるのをいやがります。
また、患部が腫れたり、熱をもつこともあります。

また、原因が交通事故などでは出血や皮下出血が見られる事もあります。

脊椎(背骨)に脱臼がおきた場合には、脊椎が傷ついて神経系に重大な影響が
出る事があり、手足の硬直やまひなどの症状がでることもあります。

治療では脱臼の程度や場所によって変わり
ますが、ネコの四肢の脱臼では、
ほとんどの場合、整復を行うために全身麻酔をかける必要があります。

関節のまわりに大きな損傷もなく、ほかの疾患をともなわないときは、
関節を元へもどして、何日が動かさないように看病するだけで
完治することもあります。

靱帯が損傷したり、関節の周りに骨折があるときは、
手術が必要になることもあります。

重い脱臼の場合は手術後に関節が動きにくくなることもあり、
治っても足を動かすのが不自由になる可能性もあります。



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