ケンカによるケガ(外傷)

 

ケンカによって、犬歯で噛まれた傷は見た目は小さくても深い事が多く、
皮膚の下の筋肉まで達していることが少なくありません。

傷は小さい割に激しく痛み、また、傷の周囲が熱をもちかたく腫れてきます。
このような怪我は数日後に内部が化膿することもあります。
そうなると患部はさらに腫れあがって痛みもまし、ときには食欲や元気を
なくしてしまいます。

爪による怪我はかまれた傷にくらべ軽い事が多いようです。
しかし、爪の傷で気をつけるべき場所は目です。
ネコのするどい爪で目を引っ掻かれると、ときには角膜に穴があき、
視力を失う事もあります。

ネコがケンカをして帰ってきたと思われたら、まず目と顔をしらべ、
それから全身を点検して傷や出血が無いかどうかをチェックしなければなりません。

ネコ同士のケンカによる怪我が生命に直接関わることはあまりありません。
しかし、エイズウイルスなどの死につながるウイルスへの感染や、
もともと持っている病気が悪化する原因になるなども考えられるので、
なるべくケンカをしないですむように、去勢や不妊などの処置をほどこす
ことが必要です。

犬歯による傷はたいてい対になって2カ所か4カ所あることが多いようです。
目立つところに1つでも傷を見つけたら、別の見えにくい場所にも
傷が
無いかよく確認したほうがよいでしょう。

治療では、怪我の程度で異なります。
皮膚の表面だけを引っかかれたような軽い傷では、患部を消毒して抗生物質の
軟膏などを塗布すれば、じきに治ります。

しかし、筋肉にまで達するような深い傷に対しては、抗生物質を注射したり
内服させたりします。
また、傷が化膿したために全身状態が悪い場合には、輸液など治療も必要となります。

まれに大きな怪我で裂傷(皮膚が裂ける)をおう事があり、そのような場合は
皮膚の縫合が必要になります。
また皮下の広範囲に化膿が広がれば、うみを出す手術をすることもあります。



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