熱中症

 

ネコの遠い祖先はアフリカの砂漠で生きていたので、暑さには強いはずです。
しかし汗をかくところ(汗腺)が舌と指の間にしかないため、人間のように
いろいろな環境でうまく体温を調節することができません。

体温が急激に40〜41度などという高温になると、その後すぐに下がらなくなり、
熱中症になってしまいます。

また、換気の悪い部屋・ゲージの中などに入れられストレスがかかると、
体温はいっそう早く上昇します。

熱中症になると呼吸は荒く早くなり、苦しげにゼーゼーとあえぐようになります。
口をあけ舌を出したまま、よだれをだらだら垂らすような事もあります。

この様な時は、体にさわるとあきらかに体温が上がっているのが分かるほど
熱くなっていることがあります。
そうなるとネコは元気をなくし、短時間で衰弱します。

治療では、まず体温を下げる事から始めます。
ネコを涼しい環境に移動させ、体を水にひたしたタオルや氷枕などで
冷やします。
呼吸が浅く早くなり、呼吸困難をおこしているときは、酸素吸入を行い、
また体温と血圧が異常に低下してぐったりしているときは、
点滴や他の内科療法をくみあわせて治療します。

ネコの熱中症は治療によって早く回復する事が多いといえます。
しかし症状が重い時には治療にもかかわらず死亡することもあるので
やはり早めの処置が必要です。

緊急を要する病気ですから、熱中症らしいときは獣医師にみせなければ
いけません。



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