ヤケド

 

ヤケドの原因となる暖房器具などの高熱をはっするものが部屋に置かれる冬場に
比較的多く見られます。

それほど高熱でなくても、長時間近くにいると低温ヤケドをおこすことがあります。
また、ドライアーなどで被毛を乾かすときにも皮膚に直接熱風が
当たらないようにする注意が必要です。

ネコがヤケドをして被毛が焦げたりして患部がはっきりと見えていれば、
飼い主はすぐに気づくはずです。
しかし、熱湯をかぶってヤケドをした場合や低温ヤケドなどでは、
ネコの全身が毛でおおわれているため患部が見えず、気づくのが
遅れることが少なくありません。

特に冬の間、飼い主はヤケドの原因となるようなものが屋内にないか
どうか注意する必要があります。

軽いヤケドでは患部が赤くなるだけです。
このときに適切に治療すれば2〜3日から一週間で治ります。

やや重いヤケドでは、患部に水疱ができ、皮膚の表面がはがれます。
この場合には痛みも強く、ネコはしきりに患部を気にして舐め、
そこに触られるのを嫌がります。

飼い主が気づかずに時間が経つと患部が化膿することもあるので、ネコの様子から
ヤケドをしたと思ったときには、すぐに治療する必要があります。

皮膚の深いところや筋肉までおかされた重いヤケドでは、
痛みもはげしくなります。
さらに体の広い範囲にわたって重度のやけどをすると、ネコは元気を
なくしてぐったりし、食欲を無くすなど全身症状が出るようになります。
このような時には死亡することもあります。

ヤケドがかなり重くても被毛に隠れていると飼い主はなかなか気づきません。
ネコが体のどこかを痛がったり気にしてなめているようなら、被毛をかきわけて
皮膚をよく調べてください。赤みや水疱がみられればヤケドの可能性があります。

ヤケドの程度では、直後では変化が無くても、2〜数日後に急に皮膚が
紫色になって穴があいたり、皮膚の表面がはがれることがあります。
ネコがヤケドをしたことがわかったら、軽いようにみえても
数日間は皮膚の様子を観察してください。

最初の治療は患部を冷やすことです。
家庭でもネコがヤケドしたことが分かったら、すぐに患部を冷水に
ぬらしたタオルなどで冷やします。(10分程度)

水疱ができるほどの重たいヤケドの場合は、ぬらしたタオルなどで体を
包んで動物病院に運び、すみやかに獣医師に診せます。

病院では、細菌などの二次感染を防ぐため、患部を消毒して抗生物質を
与えます。また炎症を抑えるために抗炎症薬の軟膏を塗り、
患部の状態をみて可能ならその上に包帯や腹帯をほどこします。

場合によっては首にエリザベスカラーを付けます。
痛みがひどい場合や元気がない場合には、必要に応じて抗生物質を投与したり、
点滴によって水分を補給するなどの内科的治療を行います。


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