乳ガン(乳腺の腫瘍)

 

10才以上のメスネコに多く見られます。
細菌ネコの平均寿命が伸びるのにともなって乳ガンも増えています。
ネコでは、皮膚ガンと血液ガンについで3番目に多い腫瘍です。

症状としては、ふつうメスネコの乳腺に硬いしこりが感じられます。
しかしなかには、乳腺がはっているように感じられるだけで、
硬くならない事もあり、しこりがないというだけで乳ガンではないと
判断するのは危険です。

治療をせずに放置すると乳ガンは大きくなり、ついには表面の皮膚が破れます。
このときにはネコは貧血になり、食欲もなくなります。
その結果、体力がなくなって手術に耐えられなくなることがあります。

ネコの乳ガンの特徴は肺に転移しやすいことです。
ネコの呼吸が早く、息苦しそうであれば転移を疑わなくてはなりません。

乳腺のガンは、まずわきの下のリンパ節に転移すると考えられています。
そこで、すでにガンがそのリンパ節に転移している時には、
そこから肺に転移する可能性が高いといえます。

不妊治療をして卵巣を取り除いたネコはあまり乳ガンにはなりません。
そこで、人間などと同じように、蘭沿おうが出す性ホルモンが原因となっているか、
またはガンの症状を進めるとみられています。
ただし、不妊治療したネコも乳ガンになることがあるので、注意が必要です。

治療では、ガンになった乳腺だけでなく、リンパ管で繋がっているので
すべての乳腺を手術で切除します。

高齢のネコでも健康状態がよければ手術はできます。

しかし、この方法は皮膚を大きく取り除くために傷の治りが遅くなります。

乳ガンに多い腺ガンでは、抗ガン剤はあまり効果を期待できません。
しかし乳ガンでも腺ガンでなければ治療効果を示す事があります。

また、乳ガンは早期に切除すれば、再発しにくいようです。
治療後4〜5年は再発せずに生きる事も少なくありません。
死ぬまで再発しないこともあります。

しかし、乳ガンが進んでリンパ節や肺に転移していると、
手術をしてもふつう数ヶ月しか生きられません。




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