肝炎は、肝臓の細胞(肝細胞)が炎症をおこし、変性したり壊死する病気です。
肝炎が悪化すると、肝細胞が繊維の様な状態に変わり、肝臓の働きが大変悪くなります。
「肝硬変」というのはこの状態をいいます。
ネコは人間に比べて、肝炎や肝硬変になりにくいようです。
しかし、ウイルスや細菌に感染したり、薬物や毒物を飲み込んだ、
寄生虫に感染した、または免疫に異常が生じたなどが原因となって、
ネコが肝炎になることがあります。
症状としては、元気がなくなり、食欲がおちて、やせていきます。
脱水症状を起こす事もあります。
ひどいときには、下痢や嘔吐を繰り返し、発熱します。
さらに症状が重くなると、肝臓の働きが低下するために黄疸が現れ、
白目や口の粘膜が黄色っぽくなります。
腹水がたまってお腹が膨らむこともあります。
ただし、これら症状は他のさまざまな病気とも共通しており、
肝炎や肝硬変だけの症状ではありません。
そのため正確な診断を行うには、血液検査などが必要になります。
原因としてはウイルス、細菌に感染したために肝炎になることが
多いようです。
たとえば、伝染性腹膜炎ウイルス、白血病ウイルスなどに感染すると、
症状の1つとして肝炎になります。
治療では肝炎を引き起こす原因となっている病気を治療するとともに、
ネコの体力を保ち、症状を悪化させないように支持治療を行います。
支持治療では、2〜3週間にわたって輸液を行い、
また肝臓の働きを回復させるために強肝剤を投与します。
その間、ネコが体力を失わないように安静を保つ事が重要です。
回復したように見えて、後ぶりかえすことも少なくないので、
長期間にわたって投与し、定期的に検査をする必要があります。
肝炎が進行して肝硬変になってしまうと治療は難しくなりますので、
できるだけ早く肝臓の病気に気づき支持治療を行って
それ以上悪化させないことが大切です。
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