すい臓が炎症をおこす病気です。
ネコは事故などにあって腹部にひどい衝撃を受けると、
急性のすい臓炎になります。
また、肝臓や小腸などの病気や感染症などが原因で、
慢性のすい臓炎になることもあります。
症状は、元気や食欲がなくなり体力が減ります。
炎症がすい臓だけでなく肝臓にも広がると、黄疸が現れます。
糖尿病を併発することもあり、その場合、大量の水を飲んでひんぱんに
排尿するなどの症状が出ます。
急性のすい臓炎のときには、吐いたり下痢をしたりします。
そのために脱水症状になることもあります。
事故などによって急性すい臓炎になったときにはすぐに昏睡状態におちいり、
すぐに昏睡状態におちいり、そのまま死ぬことも少なくありません。
とくに高所からの落下事故で体にひどい打撲を受けた時には、
すい臓炎に加えて腹膜炎を併発し、深刻な状態におちいります。
すい臓炎 になっても、とくに症状がみられず、病気がつきとめられないまま
死亡することもあります。
肝臓、胆のう、十二指腸が原因となり慢性すい臓炎を発症することがあります。
また、伝染性腹膜炎、ウイルス性鼻気管炎、トキソプラズマ症などの感染症
にかかったときにも、すい臓炎になることがあります。
感染症が原因のときには、すい臓のインスリンを分泌する能力もおとろえて、
糖尿病を発症することがあります。
治療では、原因となる病気を取り除き、ネコの体の状態がよくなるように
輸液などを行います。
さらに、ネコのそれぞれの症状を抑えるために対症療法を行います。
しかし、すい臓炎は原因がつきとめられないことが少なくありません。
胆管肝炎を併発しているときは細菌感染が原因と見られるので、
抗生物質を投与します。
このとき、治療に適した抗生物質を探すために、
まず胆のうから胆汁を取り出し、その中の細菌を培養します。
この細菌に対してもっとも効果のある抗生物質を選んで投与します。
ネコの病状によっては、副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)を併用します。
糖尿病を併発しているときには、その治療を優先します。
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