肝性脳症

 

動物の体内では、健康な時でも食べ物が消化されるときに
有害な物質も同時に作られています。
こうした毒物は消化器から血液に混じって肝臓に運ばれ、
そこで無害なものに変えられています。

しかしなかには、生まれつき血管のつながり方がおかしい、
あるいは肝臓のはたらきが非常に悪いなどのために、
肝臓で処理される前の血液が体内をめぐってしまうネコがいます。

このような場合、毒物は脳にも入り込むため、
ネコはさまざまな神経症状を示します。

症状はさまざまで、良く見られるのは食後数時間経つと、
よだれをたらし、けいれん発作をおこすことです。
歩く時によろめく、吐く、呼吸が苦しげである、
ぐったりするなどの症状も見られます。

頭を床や壁に押しつける、頭を傾けているなどの神経症状が
現れる事もあります。

生まれつき血管に異常のあるネコは十分に発育せず、
おとなになっても痩せています。

治療では、ネコの体内でアンモニアができにくいようにする薬と、
低たんぱくの食事を与えます。
体内の毒物を除去するため、まず絶食させて腸内を洗浄する事もあります。
血管のつながり方がおかしいときには、外科手術で異常な血管を縫合します。

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