ヘモバルトネラ症

 

ネコの赤血球に、ヘモバルトネラというリケッチア(ウイルスより大きく細菌より小さい生物)
が寄生しておこる伝染性の病気です。
これによって赤血球が壊され、ネコは貧血になります。

症状としては、おもに貧血、黄疸、脾臓の腫れが現れます。
また食欲が低下して元気がなくなり、粘膜の血色が悪くなり、
発熱したり痩せたりします。

ヘモバルトネラはノミの媒介によってネコからネコへと伝染するとみられます。
また輸血によって感染することもあります。

治療では、この病気を放置すると感染したネコの1/3は死亡すると報告されています。
治療は、対症療法と特異的療法を組み合わせます。

重い貧血(ヘマトクリット値が15%)以下の場合、対症療法として輸血します。
さらに輸液を行い、ネコを暖かく気持ちの良い環境に移します。

特異療法としては、ヘモバルトネラを直接攻撃して、テトラサイクリン(抗生物質)
を投与します。
しかし、この抗生物質では完全にこの病原体を死滅させることはできません。
その結果、ネコは慢性的なキャリアーになってしまい、何らかの病気に感染したときに
ヘモバルトネラ症を再発します。

健康なネコでは症状がなく、飼い主もこの病原体の感染に気づきません。
しかし、ネコが免疫を低下させる病気にかかると、それが引き金となって、
ヘモバルトネラ症を発症し深刻な状態になるケースが目立ちます。

最前の予防策は、ノミの感染を防ぐことです。
外出するネコには、ノミの寄生を防ぐ薬をしようしてください。
また、ネコ白血病ウイルスの感染を予防するためにもワクチンの接種も大切です。

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