雌ネコの発情及び交尾・妊娠・出産
 

●ネコは普段、ネコ同士お互いに一定の距離をおきますが、メスの発情期
はホルモン分泌の影響によってこの距離感を失い、オスを寄せ付けるようになります。
また、発情期を左右しているのは日光時間で、太陽の出ている時間の長さです。
日本のネコの場合日照時間の徐々に長くなる1月〜7月が発情期となります。
しかし人工照明などにより現代のネコの発情期は一定しません。
早熟なメスは生後4〜5ヶ月程度で最初の発情が見られます。
平均的には、6〜7ヶ月程度が標準的です。
ペルシャネコの場合には1〜1歳半頃まで発情期を迎えないネコもいます。
発情期の期間は4〜10日程度です。
発情中に交尾が行われなかった場合、数日から1週間くらい後に
また発情がみられます。また、1,2ヶ月後に発情がみられる事もあります。
●交尾は、オスがメスの首の後ろに噛み付き動けなくしてから行われます。
オスの性器にはトゲがあり、この刺激によりメスの排卵を促します。
(ネコの雌は交尾をした直後に排卵をします。)
この時メスがオスに攻撃する場合もありますが、発情期のメスの前では
オスの攻撃性は抑制されており、オスが攻撃する事はありません。
交尾は数秒〜10秒程度で完了します。
●ネコの正常な妊娠期間は65日の+−3日以内です。
58日以内に生まれてしまった子猫は死産、もしくは虚弱の場合がほとんどです。
また71日以上経っても生まれてこない時は、胎児が大きくなりすぎて難産になるか
死亡している可能性があります。獣医師に相談してください。
妊娠中の検診は妊娠1ヶ月後より可能であり、出産予定日の7日前からは
X腺検査により胎児数も確認できます。
●出産が近づくと激しい陣痛が起こります。
メスネコは出産場所へ行き、あえいだり、呼吸が速まったりしますが正常な兆候です。
最初の陣痛が始まってから破水の段階までは平均的に5〜6時間かかります。
しかし、個体差が大きく、さらに時間がかかることもあります。
出産後に、母猫は子猫を包んでいる羊膜を食い破り、子猫をなめ回し
へその緒をかみ切ります。ついで、子猫の数だけ赤緑色の胎盤が排出され
母猫は、胎盤を食べようとするかもしれません。無害ではあるのですが、
下痢などを起こす事があるので取り除いた方が良いかもしれません。
こうして数分、長いときには1,2時間の間隔で子猫を出産します。
もし、母猫の陣痛がおさまってしまい、出産の体力が残っていない場合に、
母猫は途中で生むのをやめてしまうことがあります。
このよう様子がみえたら獣医師に診せる必要があります。

●もし飼い主の方で出産をさせようと思っている方がいらしたら
交尾前にワクチンの接種や検診を済ませ、健康な状態で妊娠へのぞんでください。
また、妊娠中はストレスを与えないように、環境の変化は避けて、
妊娠後期には十分な栄養を与えてください。
あとは、生まれてくる数頭の子猫を数十年の一生にわたって育て、
世話をするという責任感と覚悟が必要です。
知人などに引き取って貰うという場合にも同じ事が要求されます。
捨てられた不幸なネコの末路は、
虐待されたり保健所で殺処分(年間27万頭)、
動物商に捕らえられ実験動物、三味線の皮にされるか、
餓死もしくは交通事故死です。
よく考えた上で行動してください。





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