ネコ感染症腹膜炎
 

の病気の典型的な症状は、ネコのお腹が異常に膨らんでくるというものです。
このような症状が起こるのは、腹膜(臓器の表面とそれらの臓器がおさまっている
腹腔を包んでいるすい膜)が炎症をおこし、そこから水(腹水)がにじみ出て
お腹の中にたまっていくためです。
しかしこの病気では、この症状以外にも胸膜炎(肺を包んでいる膜が炎症をおこす)
や目の異常を示す事もあります。さらにまったく症状がみられない例もあります。

感染したネコは、ドライタイプとウエットタイプと呼ばれる症状をみせる場合があります。
感染したネコの75%はウエットタイプです。
ドライタイプでは腎臓、肝臓、腸、神経、目などにさまざまな異常が現れます。
これらの症状は一見しただけでは分かりにくい事が少なくありません。
一方、ウエットタイプの症状はハッキリしています。
腹水がたまり、腹部が異様に膨らんでいく症状はもっとも典型的です。
また、胸膜炎をおこしそのために胸水がたまって呼吸が荒くなったり、
呼吸困難を起こす事もあります。

症状は急に出たり、徐々に進行することもあります。

腹水や胸膜炎などの重い症状が出ると、さまざまな治療を行っても、
寝kは数日〜数ヶ月の内に死亡します。

治療が困難な症状のひとつです。
さまざまな治療法が試みられていますが、一時的に症状を軽くすることは
できても、完治させることは難しいようです。

感染力は弱く、通常のネコ同士の接触では感染しないといわれています。

唾液、尿の中などにウイルスが混じっているのでケンカをした場合などに、
ウイルス感染するとみられます。

治療に関しては他のウイルス感染症同様に投薬による内科療法が中心となります。
また、腹水、胸水がたまっている時必要があれば注射針を使用して水を吸引して除去します。

現在でも決定的な治療法はありません。
ネコがこの病気を発病するとほとんどが数週間〜数ヶ月で死亡します。

この病気のワクチンはまだ日本では使われていません。
しかし感染力の弱いウイルスなので、ネコ同士のケンカが起こらないように
すれば感染の可能性は減ります。


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