ネコ伝染性貧血
 

ヘモバルトネラ・フェリスという名前の非常に小さな生物に感染することで貧血を起こす病気です。
ヘモバルトネラは血液中の赤血球の表面にとりついて、それを破壊します。
このためねこは貧血を起こします。
この病気が単独で発症することは少なく、たいていはウイルス感染症などの病気で、
体力や免疫力が落ちたときに発症します。

単独で発症した場合には、ネコは発熱、食欲不振、で元気がなくなり、
中程度の貧血を起こし、目の結膜や口の中の粘膜などが白くなったりします。
ときには、軽い黄疸もおこして目や口の中が黄色っぽく見える事もあります。
貧血が続くとネコは呼吸が荒くなったり、ときには呼吸困難を起こす事があります。

発症後すぐに適切な治療を行えばほとんどの場合症状が消えて回復します。
しかし、そのままヘモバルトネラがひそんでいることも少なくなく、
快復後、数ヶ月〜数年を経て貧血症が単独で再発することもあります。

ヘモバルトネラの正確な感染経路はわかっていません。
が、主に次の2つの感染経路が考えられています。
1つは、ネコ同士のケンカなどで感染したネコの血が病原体ごと相手の傷に入るというものです。
もうひとつは、ノミ、マダニなどの血を吸う虫がヘモバルトネラを媒介するというものです。

治療は、抗生物質と副腎皮質ステロイド薬などによる内科療法を行います。
他の病気が発症している時には、その治療も平行して行います。



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