クリプトコッカス症
 

カビの仲間であるクリプトコッカスに感染して発症する病気です。
ネコだけでなく人間、イヌなどさまざまな動物に感染します。

主に鳥のフンなどのに入ってさまざまな場所に運ばれるとみられ、
地表や地中、空気中などあちらこちらに存在します。
しかし少量のクリプトコッカスを吸い込んでもこの病気を発症する
事はありません。
体の抵抗力が落ちているときに症状が出るようです。

症状でもっとも多く見られるのは、くしゃみ、鼻水などの鼻炎の症状です。
鼻の周りが腫れ顔が変形する場合もあります。
ときには、鼻腔にできものが生じ鼻孔からピンク色の腫瘤のようなものが突き出てきます。
慢性化するとネコは食欲が無くなりしだにやせていくこともあります。

さらに、頭部やそのまわりが皮膚病になり、数ミリ〜数センチの大きさの
硬いしこりができることもあります。ときにはしこり表面がじゅくじゅくして出血します。
また、まれに目に異常が現れ、目がにごったり内部に出血することもあります。
中枢神経が冒されることもあり、運動失調を起こすネコもいます。

治療はおもに、真菌に対して治療効果をもつ特殊な抗生物質を用いて内科療法を行います。
これに、鼻炎や皮膚炎、目や中枢神経の異常など各症状に対する対症療法を併用します。

クリプトコッカスはほとんどの環境中に存在するので予防は困難です。
しかし、ネコが健康な場合には衛生管理がしっかりしていれば、それほど
容易には感染したり発症することはありません。


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