泌尿器の病気概要
 

ネコは腎臓や尿路など、尿を作って出すための器官がたいへん病気になりやすい動物です。
とくに5〜6才をすぎたほとんどのネコは、症状には現れなくても腎臓がいたんでいます。
腎臓はいったんこわれると、もとの健康な状態には戻らないので飼い主は、とくに
年とったネコの食べ物や飲み物に気を付け腎臓に余分な負担をかけないようにする必要があります。

ネコなどのほ乳類動物では、メスは太く短い尿道をもち、オスは細く長い尿道を持っています。
オスネコの尿道は先端に行くに連れて非常に細くなっているため、オスネコは自分の
なわばりを主張するときなどに尿を勢いよく吹きかける事が出来ます(スプレー)。
しかしこれは、ネコの尿道に結石がつまりやすい原因にもなっています。

ネコはたいへん腎臓の病気をおこしやすい動物です。
その理由ははっきりしていませんが、ひとつの理由は、
ネコの腎臓のネフロンの数が少ないためだと考えられます。
(ネフトンとは腎臓の老廃物を処理する仕組みのなかでもっとも大切な働きをしている
器官です。)例えば、イヌでは腎臓1個の中に薬40万個のネフロンを持ち、
人間は100万個以上のネフロンを持っています。これに対しネコは1個の腎臓に20万個しか
ありません。

ネコの腎臓が健康な場合にはネフロンは全体の30%くらいしか使われていません。
ネフロンはいったん壊れると再生しないので、はじめから数に余裕があるのです。
しかしネフロンの60%以上が壊れるか、またはその機能が落ちると、ネコに腎不全の症状が
現れます。



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