尿毒症
 

腎炎、腎不全、尿路症候群などの病気が進んだ時に現れる症状です。
本来なら尿中に排出されるべき有害な物質(窒素化合物)が次第に体にたまって、
その為にネコは食欲がなくなり、繰り返し白、下痢をするなどの症状が現れます。
体温が下がり、けいれんを起こす事もあります。
ひどくなると昏睡状態におちいって死に至るので、緊急に治療しなければなりません。

血液中に窒素化合物(BUNやクレアチニン)の濃度を検査して、
BUNの数値が100以上のときは尿毒症と診断されます。

治療は、ネコをただちに入院させ24時間の点滴を開始します。
こうして大量に水分を補給すれば、ネコは大量の尿をつくり
尿毒症の原因となる窒素化合物を体外に排出します。
このような治療を続けると、尿毒症を発症するのが初めてなら
病状は軽くなり血中の窒素化合物の濃度も低くなるネコもいます。
治療では、BUNの値を正常値(20〜30)よりややた高い40〜50まで下げる事を
目的とします。
血液透析や腹膜還流といった治療もありますが、ネコへの負担も大きいため
あまり行われません。

最近、腸内の窒素化合物を体外へ排出するためのクレメジンという薬が開発されました。
これは活性炭に似た物質からできたカプセル薬です。
腸内に入ると消化管で分泌されたり腸内で作られる老廃物を吸着します。
その後カプセルは便に混じって体外に排出されます。
この薬は人間用に開発されると同時にネコへも使われるようになりました。
ネコ用の薬はコバラジンまたは、ネフガードと名付けられ動物病院で処方されます。



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