腎炎
 

血液をろ過する働きを持つ腎臓の糸球体が炎症を起こす病気です。
炎症を起こしてから実際に症状が現れるまでにはかなり時間があるため、
腎炎をおこした原因を調べるのは困難です。

この病気は、腎不全をおこすと時と、ネフローゼになる時があります。
ネフローゼになると、体がむくみ、腹水がみられます。
その他にはあまり症状がみられません。
腎不全の症状は慢性・急性腎不全の項で書いた通りです。

糸球体腎炎は腎不全や尿毒症とは違い、腎臓に病変が生じた事を示す名前です。
人間ではのどや気管が連鎖球菌に感染して糸球体腎炎になりますが、
ねこの腎炎はふつう、免疫ー外から侵入した病原体を排除するしくみー
が自分自身の腎臓を攻撃することから起こります。
ウイルスや最近などが感染するとそれに対抗するために免疫は抗体をつくります。
抗体とその病原体(抗原)ががったいしたものが糸球体のろ過膜にくっついて
これを壊します。
このような免疫反応がたびたび起こると腎臓がしだいに壊れていき
慢性腎不全の原因となると考えられます。

引き起こす病気としては、白血病ウイルス感染症、ネコエイズ、伝染性腹膜炎、
重い細菌感染症、すい炎、免疫の病気などがあります。
また、人間用のインスリンに対して免疫反応がおこって腎炎になることもあります。

治療は、ネフローゼで体がむくんでいる時には利尿薬を与えます。
腎不全になった時はその治療を行います。
また原因となる病気が判明しているときにはその治療も行います。

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